ハイランド讃歌の各シーン

ハイランド讃歌の背景となっている各地方の様子を調べてみました。

ハイランド讃歌の構成

ハイランド讃歌は、スコットランド・ハイランド地方のさまざまな場所に着想を得て作られた組曲ですが、吹奏楽版のハイランド讃歌は、 「Ardross Castle」、「Allandale」、「Dundonnell」の3つの楽章から構成されています。一方ブラスバンド版は、この他に「Summer Isles」、「Flowerdale」、「Strthcarron」、「Lairg Muir」を加えた7つから成っています。吹奏楽版が3楽章に縮小されたのは、他の4楽章が吹奏楽編成に適していないため(ソロ中心の楽章となっているため)です。ただし、「Strthcarron」は単独で吹奏楽版が出版されており、ハイランド讃歌の3楽章と合わせて、全4楽章の組曲として演奏すること も可能です。

Highlands

ハイランドはスコットランド北部に位置する地域全体の名称です(<->ローランド)。スコットランドサイトのハイランドのページによれば、「They are romantic, impressive and very, very beautiful scenery.」 ということですので、やはりその景色の美しさが特長としてあるわけです。サイト内の写真を眺めてもその美しさがわかります。とすれば当然、ハイランド讃歌 もその景色を描いた、非常に叙景的な曲であるはずです。ハイランド讃歌を演奏するためにはまずその背景となっている景色を理解・イメージする必要がありま す。以下、それぞれの楽章が描いている情景を見ていきたいと思います。

Ardross Castle

さて3つの楽章の最初を飾るのが「Ardross Castle」です。ここで流れるテーマは最後の楽章「Dundonnell」でも再現されるため、曲全体の根幹を成す楽章と言えるでしょう。非常に美しいメロディ、そして非常にスケールの大きい雄大な楽章ですが、描いているものは一体どのようなものなのでしょうか。Castleという名前が付いているくらいですから、さぞかし立派な城なのでしょう。そう、立派なはずです…。
Historical Ruin(*´Д`)…
これがその「Ardross Castle」です(´ω`)
見るも無惨な姿になってしまっております。まぁ14世紀に建造されたようなので仕方がないですかな。

この写真をみても分かるとおり、Ardrossは激しく田舎です。Ardrossのコミュニティサイトに は「There are no shops in Ardross, and no pub ...」なんて書いてあります。ただ、もちろん日本の田舎のようなせまっくるしい山ばっかりの景色をイメージしてはいけません。ハイランドは地理学的に言ってもヨーロッパの中でもかなり古い山系らしく、森は既にほとんどなく、低い草が茂る、時には岩肌が出ちゃったりする禿げ山が広がります。先ほどのArdrossのコミュニティサイトPhotographs in and around Ardrossという写真のページがありますので、ここに掲載されている景色を元にイメージするとイイでしょうか。個人的にはコレが好き。

Alladale

Alladale Riverという川がありますが、Alladaleとはその川をとりまく一帯を指しています。英語を読むことに抵抗が無い方は是非ともAlladaleのサイトを一通り眺めてみてください。

Alladaleの特長はAlladaleのサイトに 「The wild, rugged and remote Scottish Highlands are among Europe's last great areas of untamed splendor and wilderness.」と書かれています。手の入らない深い森、といった感じでしょうか。

名物としてはやはり「Alladale River」と、それからシカも有名なんですかね。一言でいうと、Ardrossは田舎、ですが、Alladaleは山奥。人もほとんど住んでおらず、野生の動物がすぐそこにいるような。イメージとしては、これですかね?
alladale-1

alladale-1

確かに曲の方でも非常に素朴な感じがして、日本で言えば日本昔話的な雰囲気がありますね。そういう素朴さ、そしてそこにある楽しさ・喜びといったものを感じ取るのが正解なんでしょうか。

Dundonnell

Dundonnellは一言でいうと山です。もちろんArdrossもAlladaleも山といえば山なのですが、Dundonnellはその高さ、険しさが違うようです。Dundonnell Mountain Rescue Team (略してDMRT)というレスキューチームもあるようで、なかなかカッコイイサイトを構えてます。

www.camusnagaul.comのトップ画像を見てみると、おー、かっこいいウォーターフォールですね。岩肌なんかも露出してたりして、あきらかにAlladaleとは違う趣です。晴れてる日には虹なんかも出たりして、すんごいキレイです。青空とそこに流れる雲が絵に描いたようです。このページの一番上と一番下の画像なんかもいかにもな雰囲気を醸し出してますな。

曲の方では、非常に力強いリズム・素早いパッセージなんかが出てきますが、これはもう、この山の険しさを表してるんでしょう。もちろん(写真を見て分かるように)その険しさだけでなく、Ardrossと同じような、広々とした景色の雄大さなんかも見えます。それが終局部に出てくるArdrossのメロディとなっているのだと(今のところは)考えています。

終わりに

ハイランドの景色をざっと概観してきましたが、まぁ具体的な曲の分析にはそれほど役には立たないでしょう。しかし、やはり演奏する上で曲のイメージをそろえておくことは少なからず有益だと思いますので、リンク先など(読まなくてもいいし、実際私もほとんど読んでナーイ…)適当に眺めてみて、「こんな感じ」という感触を作り上げていって欲しいと思います。